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ワクチン接種、予想されるてんやわんや

国にもクリスマスプレゼントが配られるとしたら、今年はブレグジット合意とコロナワクチン許可の2つが甲乙つけがたいビッグプレゼントであるに違いない。いろんな意味で、両者とも新時代の幕開けを告げているような気がする。

幕開け、正確には過渡期 (une transition) と言った方が合っているかも。まだ何もかもが終わっていないし、英国のEU脱離やワクチンによって今後整っていくはずの新しい環境 (la nouvelle donne) もまだ産声さえあげていない。

いや、整ってなんかいく気がしない。特にワクチン。整うには整えようとする意思と、何よりも、整える能力が必須。意思はあっても能力は?これまでのフランス政府の場当たり的なコロナ対応フランス人気質を考えると、引き続き「なるようになっていく」だけなのでは?

コロナ感染検査を効率的に行えなかったからには、ワクチンが頼みの綱。なのに、11月初旬の世論調査では「ワクチンを受けようと思う」と回答したのは53%最新の調査結果(12月中旬実施)では40%に下がった。

もっとも、ワクチンへの警戒感の強さは今に始まったことではなく、フランスは欧州1-2を争うワクチン懐疑派国であることは有名。2009年の新型インフルエンザA(H1N1)の時には、大々的なキャンペーンにもかかわらず、接種希望者が集まらず注文したワクチンを大量に解約した経緯もある。

欧州で許可されたばかりのファイザーワクチンは低温度での保管や輸送が容易ではなく、一度「解凍」した薬剤の保存期限は限られているという。また、一瓶に5~7回分の摂取量が含まれるため接種人数が半端だと無駄が生じてしまう。

そこで思うなぜ、まずは4~5割の希望者を対象に接種を行わないのか?高齢者や医療従事者が優先されるのは当然だとしても、優先者の中にもワクチンを拒否する者は多いはず。ワクチンを義務化しないことは、11月末にマクロンも断言している。100人が滞在する高齢者施設で接種を開始しても、結局は40人しかワクチンを希望しなかったら?

事前に施設ごとの希望人数を聞いてから配達するだろう、との考えは甘い。ここはフランス、細かいことはしないし出来ない。例え集計を行ったとしても、その表は当てにならない。当日気が変わる者だっているだろう。施設単位で余るワクチンは必ず発生しそうだ。一施設につき少しの余りでも、全国規模では大量となる。

だとしたら、余った分量は老若男女問わず希望者に接種するようにできないものか?接種対象となる高齢者施設の近隣の市町村民に事前に案内を出し、希望者には整理券でも配って施設前で待機してもらい、余った分はその場で注射するというふうに…

コロナに関する科学評議会メンバーのカリーヌ・ラコンブ (Karine Lacombe) 医師も国民の5~6割がワクチンを受ければ十分発言している。だったら、国民の4~5割の希望者全員に、いち早くワクチン接種を行うのが得策では?

こんなのは素人考えなのだろうか。素人考えであっても、優先順位を守ろうとするあまり、受けたくない者にはプレッシャーを掛ける一方で希望者は待たせるというのは馬鹿げていると感じてしまう。

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