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リヨン市:肉なし給食論争… 過熱の原因は?

フランスは学校休暇まっただ中だというのに、ここ数日、学校給食に関する論争が続いている。ことの発端は1週間前、リヨン市役所が各区の学校給食担当に送ったメール:

政府の新たな衛生基準に則り、食堂で生徒同士の間隔を2メートルに保ったまま全員に給仕できるよう「単一のベジタリアン・メニュー」を暫定的に実施する。

ベジタリアンとはいっても「肉」がないだけで卵や魚は登場するという内容のもの。この話題がメディアで報道されたのが2/19金。この一見「他愛のない」情報に大臣級の与党メンバーらが激しく反応するという事態に発展した。なぜか?

批判の声を最初にあげたのは地元議員たち。昨年の市長選で現市長のグレゴリ・ドゥセ(ヨーロッパ・エコロジー=緑の党)に敗れた共和党のブラン上院議員や同党のモンティーユ区議会議員が2/18の時点で「美食の都✨リヨンでエコロジストたちがコロナ禍を利用してイデオロギーを押し付けるとは何事か!」とドゥセ市長を批判。

この情報が全国に広まり2/20、ダルマナン内務大臣「国の農業従事者と精肉職人に対する受け入れ難い侮辱」「肉を摂取できる食事は給食のみという児童も多くいる」とツイート。続いてドノルマンディ農業大臣「皿にのせるべきは児童の発育に必要な肉!イデオロギーではない!」さらに県のプレフェに申し立てをしたとツイート。アタル政府報道官までが「生徒がチョイスできるべき」とテレビ番組で発言。

非難の嵐を受け、エコロジー市長のドゥセ氏は2/21に応酬。「笑止千万、コロナ第一波の際、当時のコロン市長(与党)が学校給食に関し全く同様の措置をとったときには批判はなかった」「コロナで食料の配給を受けざるを得ない苦学生を政府が放置している間、リヨン市は児童にバランスの取れた食事を配る努力をしている」「そもそも政府が要請する給食時の衛生措置強化に応えているだけ」と長いツイートで反撃。

これで終わったと思いきや、翌22日(昨日)、畜産農家らがトラクターで市庁舎近くに集結しデモ。昨年5月に同様の「ベジタリアン給食」を一時実行したはずのコロン前市長現場に登場し牛を連れたデモ隊を支援

これを受け、たまたま同日リヨンを訪問中のベラン保健大臣「論争になるほどの話題でもない」「肉なしメニューもショッキングではない」と緊張緩和を図った。

そして今日、23日、ピピーっと審判の笛を吹いたのがポンピリ環境大臣「まるで石器時代の論争 un débat préhistoriqueだわ!」と嘆いた上で、自分は与党メンバーながらも、衛生対策に留意したリヨン市長の決断を擁護。「野菜、魚と卵だけでも十分な栄養が取れるのは今や常識」と、地元の畜産農家をサポートするドノルマンディ農相にピシャリ。また「調査によれば、低所得者層が肉不足というのはウソ、むしろ逆」と、ダルマナン内相にピシャリ。

母親に諭されるような形で、さすがにこれで終わってくれるのだろうか…

結局、当事者である子どもたちや学校の言い分などはお構いなしのこの論争、過熱の原因はもちろんリヨン市長の所属にある。

昨年6月、フランス第2の大都市に、誰もが予期してなかったエコロジー市長が誕生。来年の大統領選挙を控え、与党はエコ勢力が水面下でアイドリングしている状態であると見てますます警戒を強めている。しかも、コロナ対策が優先される今はその潜在性も掴みづらく、ちょっとしたことにも過敏に反応してしまう、といったところであろう。

今回のような予兆となる出来事はこれから増えていくに違いない。

【2/24更新】

結局、論争は収束せずに続いてます😵

リヨン市内の精肉店が、市長の「ベジタリアン給食」に対抗するため今後一週間、子連れの買い物客に100グラムのハンバーグを無料でプレゼントすることにした模様。。。

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