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心を覚ます環境ドキュメンタリー LEGACY〈前半〉

ツイッターでフォローしている研究者がLEGACY』というドキュメンタリーが良かった!とツイート。『LEGACY』は『空から見た地球 La terre vue du ciel』と『HOME』で有名な写真家兼映画監督のヤン・アルテュス・ベルトラン Yann Arthus Bertrand (YAB)  監督の作品で、一昨日テレビで放送されたものだ。

元来あまのじゃくで「売れっ子」を敬遠してしまう傾向にあるため、これまで Yann Arthus Bertrand を積極的に気にしたことはなかった。尊敬する研究家のツイートがなければ、ミーハーなチャンネル M6で放送されたこの番組を見てみようという気にはならなかったであろう。

エコロジーや環境問題に関しては、重要さは認識しながらも余りに漠然とした、かつ莫大な課題であるために、これまで深く探究することを避けてきた気がする。先進国に生まれ住み、物の溢れた環境で暮らし続けている自分に何ができるであろうというシニカルな罪悪感からなのかもしれない。

あるいは、「地球を守ろう!」「資源を大切に!」との大義名分を長年聞かされながらも、スローガンを発する張本人である意思決定権のある者ども(les décideurs) が何もしない偽善をただ眺めるだけのニヒリズムに起因しているのかも。

それでも、コロナの話題に食傷気味なこともあり、気分転換に♪と番組のリプレイをクリックしてわずか数分、タイトルが現れる前の導入部ですでに画面に吸い込まれていた。いや、映像の虜というよりも、付随するナレーションが、研究者のツイートの表現を借りれば “très pertinent” (至極的確) なので響いてくる。

パリ生まれの監督が、若き日々を野生動物と共に過ごしたサバンナ。40年前の実写をバックに発せられる各フレーズ…

我はここの動物たちの子孫 Je viens de ces animaux… 
ありのままの自然のサイクル Le cycle de la vie brute… 
常駐する危険 L’insécurité toujours aux aguets… 
それでも調和の取れている未経験の世界 son harmonie échappe à tous nos repères…

100分間のこのドキュメンタリー、開始から3分もたたないうちに直に伝わってくる何かを感じて心が覚めた。アパシーと背中合わせの都市生活に慣れ切ってしまったDNAの遠い記憶をつつかれたかのように。

解決法を知りながらも生活スタイルを変えることができないでいる我々 (notre incapacité à changer notre mode de vie alors que nous connaissons les solutions) について、ヤン・アルテュス・ベルトランはこの作品を通して語りたいのだという。

そしてナレータが発した、とどめの単語「エネルギー (l’énergie)」。このドキュメンタリーを導くために選ばれたキーワード (fil rouge)エネルギーこそが地球上の生命すべての動力であり、生命の存在理由 (raison d’être) であるというのだ。

10分足らずの導入部分だけですでに叩き起こされた気分になり、最近欠乏しているヴァイタリティの源を求めるかのごとく番組に見入ってしまった。

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後半につづく

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